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[168p] 詩人バラッドの悲劇 Chronicle←クリックで前画面に戻る 最期の詩… それはあまりにも素晴らしく 兵は街の恋人に詩って教えた やがてその詩は 人から人へと伝わり 誰が綴ったかもわからぬ その名もなき詩は やがて大陸中に広まった… 強く美しき時の女王 絶対的な権力の前に 誰もがひざまづく 来たる女王の誕生祭 その美貌を称える詩を捧げよと 一人の詩人に命じた… 女王は問う… 「この世で一番美しいのは誰じゃ?」 …しかし 彼は譲らない 「私の世界では、陛下は二番目にお美しい…」 「枯れてしまった花の美しさ… それは、追憶という名の幻影… 朽ちることなく永遠に咲き続けられる庭園… 例え、気高く美しき薔薇でさえ… 花である以上、枯れてしまった花には及ばない…」 その詩に女王は激昂した 「そなた、余に枯れてしまえと申すのか!?」 宰相の合図一つで 兵達は詩人を取り囲んだ… 天才と謳われし詩人…彼の名はバラッド 今は冷たい地下牢の隅 最期の詩を綴っている… 処刑の刻が近づき 胸に薔薇の紋章を抱いた 牢番の兵は聴いてしまった 彼の綴った最期の詩を… 最後の鐘が鳴り終わり 処刑は厳かに執り行われる 最期の瞬間 思い出すのは… 故郷の空 風の匂い 今は亡き彼女と過ごした日々… 冷たい秋風が冬を導くように 旅の娘が一人 想い人を尋ねて流離う どこか懐かしい その詩を口ずさみながら…
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詩人バラッドの悲劇 Pico Magic←クリックで前画面に戻る 最期の詩… それはあまりにも素晴らしく 兵は街の恋人に詩って教えた やがてその詩は 人から人へと伝わり 誰が綴ったかもわからぬ その名もなき詩は やがて大陸中に広まった… 強く美しき時の女王 絶対的な権力の前に 誰もがひざまづく 来たる女王の誕生祭 その美貌を称える詩を捧げよと 一人の詩人に命じた… 女王は問う… 「この世で一番美しいのは誰じゃ?」 …しかし 彼は譲らない 「私の世界では、陛下は二番目にお美しい…」 「枯れてしまった花の美しさ… それは、追憶という名の幻影… 朽ちることなく永遠に咲き続けられる庭園… 例え、気高く美しき薔薇でさえ… 花である以上、枯れてしまった花には及ばない…」 その詩に女王は激昂した 「そなた、余に枯れてしまえと申すのか!?」 宰相の合図一つで 兵達は詩人を取り囲んだ… 天才と謳われし詩人…彼の名はバラッド 今は冷たい地下牢の隅 最期の詩を綴っている… 処刑の刻が近づき 胸に薔薇の紋章を抱いた 牢番の兵は聴いてしまった 彼の綴った最期の詩を… 最後の鐘が鳴り終わり 処刑は厳かに執り行われる 最期の瞬間 思い出すのは… 故郷の空 風の匂い 今は亡き彼女と過ごした日々… 冷たい秋風が冬を導くように 旅の娘が一人 想い人を尋ねて流離う どこか懐かしい その詩を口ずさみながら…
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高速の魔法使い Pico Magic←クリックで前画面に戻る 三番目の記憶… 昔あるところに 恋人を亡くしたひとりの魔法使いがいた 彼が求めたのは 死者を甦らせる禁断の秘法 領分を侵す者に降りかかるのは 厄災のみと識りながら 何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは一頭の駱駝 砂丘(おか)を乗り越えて街へと向かう… 「魔法のランプが欲しくはないか?」 胡散臭い髭の男が囁いた 薄暗い路地裏での駆け引き 彼は男が持ち出した条件を飲んだ… ランプを擦ると魔神が現れ 三つの願いを叶えれくれると言う 願い事を一つ譲るという条件で 彼はその有処を聞き出した そのランプは 南西にある洞窟に封印されているという 片足が悪いという男の代わりに 彼は穴の中へと降りた… 砂漠の下には 大きな空洞 冷たい空気が 背筋を掠める 洞窟の奥には 妖しい祭壇 黄金のランプと 古びた絨毯 ランプを手に取ると 洞窟が崩れた 「ランプを早くこっちへよこせ!」男が叫んだ… 忘レモノハ在リマセンカ…? 暗い闇の中 懐かしい声を聴く 暖かな光 愛しい声を聴く 「貴方はまだこっちへ来てはいけないわ、遣り残したことがきっとあるはず…」 暗い闇の中 懐かしい声が言う 暖かな光 愛しい声が言う 「失われたモノの為に願うより、今目の前にあるモノを見つめて…」 目醒めれば砂が巻き上がる 砂丘(おか)の上で抱かれていた 黒髪の美しい少女 泣きながら微笑んでいた 「古の罪と罰の輪舞曲(ロンド)、ランプに閉じ込められていた… 愚かな私を出してくれた御主人様(マスター)、さぁ願いをどうぞ、叶えましょう」 三つの願い全て叶えたら少女は再び 唯冷たい砂の下で幾千の孤独に震える… そして彼は願った… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは二頭の駱駝 長い黒髪の少女が一人…
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魔法使いサラバント Lost←クリックで前画面に戻る 三番目の記憶… 昔あるところに 恋人を亡くしたひとりの魔法使いがいた 彼が求めたのは 死者を甦らせる禁断の秘法 領分を侵す者に降りかかるのは 厄災のみと識りながら 何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは一頭の駱駝 砂丘(おか)を乗り越えて街へと向かう… 「魔法のランプが欲しくはないか?」 胡散臭い髭の男が囁いた 薄暗い路地裏での駆け引き 彼は男が持ち出した条件を飲んだ… ランプを擦ると魔神が現れ 三つの願いを叶えれくれると言う 願い事を一つ譲るという条件で 彼はその有処を聞き出した そのランプは 南西にある洞窟に封印されているという 片足が悪いという男の代わりに 彼は穴の中へと降りた… 砂漠の下には 大きな空洞 冷たい空気が 背筋を掠める 洞窟の奥には 妖しい祭壇 黄金のランプと 古びた絨毯 ランプを手に取ると 洞窟が崩れた 「ランプを早くこっちへよこせ!」男が叫んだ… 忘レモノハ在リマセンカ…? 暗い闇の中 懐かしい声を聴く 暖かな光 愛しい声を聴く 「貴方はまだこっちへ来てはいけないわ、遣り残したことがきっとあるはず…」 暗い闇の中 懐かしい声が言う 暖かな光 愛しい声が言う 「失われたモノの為に願うより、今目の前にあるモノを見つめて…」 目醒めれば砂が巻き上がる 砂丘(おか)の上で抱かれていた 黒髪の美しい少女 泣きながら微笑んでいた 「古の罪と罰の輪舞曲(ロンド)、ランプに閉じ込められていた… 愚かな私を出してくれた御主人様(マスター)、さぁ願いをどうぞ、叶えましょう」 三つの願い全て叶えたら少女は再び 唯冷たい砂の下で幾千の孤独に震える… そして彼は願った… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは二頭の駱駝 長い黒髪の少女が一人…
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エンディングテーマ:The Beast of the Endness リヴァイアサン/終末を告げし獣←クリックで前画面に戻る 侵し遷ろうモノと 追われ往くモノ 《終末》を偽るモノと それを告げるモノ 犯し虚ろうモノと 負われ逝くモノ 《終末》に気付かぬモノと それを告げるモノ 今は未だあの獣の名を… 嗚呼…呼んではいけない… 右手には光を 左手には闇を 天秤を繰る手が どちらに近いモノであれ 彼らはこの《東京》(まち)を 誰よりも憎み 愛すでしょう… 終末の獣 その名は『リヴァイアサン』 遥かなる掟に拠り目覚めし時 世界は終焉を迎えるでしょう… ──その心臟は石のように堅く、 臼の下石のように堅い。 ──それは鉄を見ること、藁のように、 青銅を見ること、朽木のようである。 ──地の上には、それと並ぶものはなく、 恐れを知らぬ者として造られた。 ──それは、すべての高き者を見下ろし、 全ての誇り高ぶる者の王である。 右手には光を 左手には闇を 運命を繰る手が どちらに近いモノであれ 彼らはこの《東京》(まち)に 楽園を創り 壊すでしょう… 終末の獣 その名は『リヴァイアサン』 (The Beast of the Endness, its name was "Leviathan".) 遥かなる掟に拠り目覚めし時 世界は終焉を迎えるでしょう… (When it awakes from far-flung, the world will face the end...) 海を吞み干し 滅びの陸へ 焔に抱かれて 時を吼えるでしょう 闇を吞み込み 《終末》(おわり)の空へ 星を堕として 時を喰らうでしょう ──リヴァイアサン… The Beast of the Endness
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魔法使いサラバント Elysion ~楽園への前奏曲~←クリックで前画面に戻る 昔あるところに 恋人を亡くしたひとりの魔法使いがいた 彼が求めたのは 死者を甦らせる禁断の秘法 領分を侵す者に降りかかるのは 厄災のみと識りながら 何故人は求めるのか? 人智を超えた魔神の力を… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは一頭の駱駝 砂丘(おか)を乗り越えて街へと向かう… 「魔法のランプが欲しくはないか?」 胡散臭い髭の男が囁いた 薄暗い路地裏での駆け引き 彼は男が持ち出した条件を飲んだ… ランプを擦ると魔神が現れ 三つの願いを叶えれくれると言う 願い事を一つ譲るという条件で 彼はその有処を聞き出した そのランプは 南西にある洞窟に封印されているという 片足が悪いという男の代わりに 彼は穴の中へと降りた… 砂漠の下には 大きな空洞 冷たい空気が 背筋を掠める 洞窟の奥には 妖しい祭壇 黄金のランプと 古びた絨毯 ランプを手に取ると 洞窟が崩れた 「ランプを早くこっちへよこせ!」男が叫んだ… 忘レモノハ在リマセンカ…? 暗い闇の中 懐かしい声を聴く 暖かな光 愛しい声を聴く 「貴方はまだこっちへ来てはいけないわ、遣り残したことがきっとあるはず…」 暗い闇の中 懐かしい声が言う 暖かな光 愛しい声が言う 「失われたモノの為に願うより、今目の前にあるモノを見つめて…」 目醒めれば砂が巻き上がる 砂丘(おか)の上で抱かれていた 黒髪の美しい少女 泣きながら微笑んでいた 「古の罪と罰の輪舞曲(ロンド)、ランプに閉じ込められていた… 愚かな私を出してくれた御主人様(マスター)、さぁ願いをどうぞ、叶えましょう」 三つの願い全て叶えたら少女は再び 唯冷たい砂の下で幾千の孤独に震える… そして彼は願った… 吹き荒ぶ風は砂を巻き上げて 若い旅人の行く手を阻む 旅の道連れは二頭の駱駝 長い黒髪の少女が一人…
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沈んだ歌姫 Chronicle 2nd←クリックで前画面に戻る 第十二巻 741ページ… 二人の歌姫 沈むのはいずれか… 紅の歌姫と称されし フィレンツァ領主 フィレンツァ公爵家の令嬢 ロベリア・マリア・デッラ・フィレンツァの手番(ターン) 遊戲盤(ばん)の上を駒が進む… <聖都フィレンツァ及び南都ナポールタ → 赤の歌姫の後援都市>(Firenza Naporta Patrono de Roberia) 歌え!紅の歌姫(ロベリア) 目指す舞台は 優雅にして華美なる(Elegante e Sfarzoso)麗しの王都ロマーナ 蒼の歌姫と称されし ミラーナ領主 ビスコンティエ公爵家の令嬢 ジュリエッタ・シモーネ・デル・ビスコンティエの手番(ターン) 代わる代わる駒は進み… <北都ミラーナ及び水都ヴァナラ → 蒼の歌姫の後援都市>(Milana Venera Patrono de Giulietta) 歌え!蒼の歌姫(ジュリエッタ) 目指す舞台は 優雅にして華美なる(Elegante e Sfarzoso)憧れの王都ロマーナ 紅く燃え上がる情熱の歌声と華やかな容姿(フィギュラ) 私こそが<最高の歌姫>(レジーナ) (「蒼く湧き出づる清廉の歌声と穏やかな微笑(フィリフス) 私こそが<最高の歌姫>(レジーナ)」) 諸侯を巻き込んで 宮廷に蠢く影は 権謀の黒き獣(べスティア) 争いの宴(フェスタ)は続く… 田舎貴族の娘(ジュリエッタ)が望むには不遜な 至尊の寶冠(ティアラ) (「色惚の年增娘(ロベリア)が望むには不遜な 至尊の寶冠(ティアラ)」) 頭上に戴くのは紅の歌姫(ロベリア)こそが相応しい… (「頭上に戴くのは蒼の歌姫(ジュリエッタ)こそが相応しい…」) …「王妃陛下万歳!(Viva! Evviva!)」 (「Ves, Viros, Wes, Lilis...」) (「Eros, Vires, Eris, Viros...」) (「Feno, Firis, Feris, Firos...」) (「見なさいロベリア…今やナポールタの利がお前の手に落ちた、 後はビスコンティエの小娘さえ退けば…晴れてお前が王妃陛下だ…」) 時は…イタニア暦312年 国王モンテフェルトラーノ四世 突然の崩御 若き王太子アレッサンドロ アレッサンドロ一世として即位 (「あんな田舎娘に、私が負けるはずありませんわ」) (「おお、そうだとも。だが憂いは全て絶つに越したことはない…」) イタニア<最高の歌姫>を 王妃として迎えるという勅令を発布 野心を抱いた地方領主/門閥貴族 各々に歌姫を立て王都を目指し進撃… (「Eros, Vires, Eris, Viros...」) (「Feno, Firis, Feris, Firos...」) (「まぁ、お父様ったら…」) (「下賎な歌姫など身分の卑しい売女も同じ、まして逆賊の娘など売女以下の面汚し…」) 駈ける駆ける獣(べスティア)… 高值で売れるなら娘でも売れ 売值は望む得る限り高く 猛る猛る獣(べスティア)… 敵を売れ 味方を売れ 他人の娘など底值で売りつけてやれ (「可愛いロベリア…最高の歌姫はお前だよ…」) 咆える吼える獣(べスティア)… 弒逆を謀った逆賊として デル・ビスコンティエ一門処刑 (「Eros, Vires, Eris, Viros...」) (「Feno, Firis, Feris, Firos...」) (「あら…頼りにしてますわ、お父様」) 屠る屠る獣(べスティア)… 逃亡を図った国賊として デル・ビスコンティエ令嬢を処断 (「ジュリエッタ…お前は最高の歌姫、我が一門の希望だ… 私の力が及ばないばかりに、すまなかったね… せめてお前だけでも逃げなさい…」) 「騙し騙され…殺し殺され…よく飽きもせぬものだ… 全ては遊戯(ゲーム)に過ぎぬ…予を生み堕とした… この世界に復讐する為のな…!」 逃げる乙女と 追い駆ける獣(べスティア) 紅糸で手繰る 操り人形(マリオネッタ) 繰り返される 歌劇(リーリカ) 悲劇(トラジェディア) 紅糸で手繰る 操り人形(マリオネッタ) 牙を剥いた獣(べスティア) 追い詰められた断崖 歌を奪われた歌姫 世界までも奪われ… 「ロベリア!ロベリア!(Roberia! Roberia!)」 「ロベリア王妃陛下万歳!(Viva! Roberia Evviva!)」 「──お父様!」 蒼い空 碧い海 飛び去りぬ白鴉 沈み逝く歌姫 歌姫ジュリエッタの沒後…王妃ロベリア在位僅か三年にして 寵妃ビアトリジェ宰相ガレアッツォらの共謀により 歴史の闇に沈む… 君よ驕ることなかれ 我等 歴史という大海に漂う小舟に過ぎぬ 盛者必衰 沈マヌ者ハナシ…
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聖戦と死神 第三部「薔薇と死神」~歴史を紡ぐ者~ Chronicle 2nd←クリックで前画面に戻る 「此処は何処なのかしら?私は確か…追われ…矢を射られ…倒れたはずだったわ…」 「気付いて良かった、大丈夫かい? 私の名はアルヴァレス、君達の村を襲った軍隊の指揮官… だったのだが…今ではもう追われる身だ…からと言っても…言い訳に過ぎぬ…私が憎いかい?」 「えぇ…憎くない…と言ったら嘘になるけれど…助けてくれた貴方のこと、私は信じたい…」 「私はベルガ人(ベルジュ)なのだよ… 亡国の仇を取る為、旧フランドルへ身を寄せた<異邦人>(アルベルジュ) この意味が解るかい…お嬢さん?この手はもう取り返しのつかない程に汚れている…」 「最初は怒りからプロイツェンを… 次に異国での居場所を確保する為ロンバルドを… そして己の願望を満たすという目的の為に、カスティリヤを滅ぼした…」 「今でも目を閉じると、鮮やかに浮かんでくる風景がある… 私にはどうしても取り戻したい場所があったのだ… そんな私に当時のキルデベルト六世陛下は約束してくれた…」 「国をあと一つ…例えばプリタニアの征服を条件に… ベルガの独立自治権を許すと…私は他人(ひと)の国を売って…自分の国を買い戻そうとしたのだ…」 「私はそんな愚かな男なのだよ…」 「そう…そんな愚かな男なら、私がここで殺してしまっても構わないわね?」 「あぁ…好きにするが良い…私は取り返しのつかない過ちを犯してしまった…」 「馬鹿!それでは何も解決しないじゃない…貴方はそれで満足かも知れない… でも貴方の仇を取ろうとする者が現れないとは限らない…その論理が繰り返し悲劇を生んでいるのよ…」 「取り返しのつく歴史なんて一つもないの、だから尊いの、だから私達は新しい歴史を創ってゆくの… 愚か者とは…過ちを犯す者のことじゃない…過ちと知ってなお、正そうしない者のことをいうのよ…」 「…ねぇ…そうでしょう?」 「お嬢さん…君は強いな…」 「えぇ…そうよ…私は強いわ、この国の未来を背負っているんだもの…」 「この国の未来?プリタニアの女王は若い娘だと聞いていたが…まさか…君が…!」 「ローザ・ギネ・アヴァロン…そう…私がこの国(プリタニア)の女王よ… 黙っていて御免なさい…でも解って欲しいの…アルヴァレス将軍…私は貴方を信じます…」 「これは…女王陛下とは露知らず、数々の非礼を…」 「お願い!畏まらないで、私はそういうの好きじゃないの、私のことはローザで良いわ…」 「それにしても貴方があの有名な「ベルガの死神」(アルベルジュ)とはね… …想像していた像(イメージ)と随分違うわね、熊のような大男だと思っていたのに…」 「…でも<ベルガの死神>(アルベルジュ)はやめた方が良いわね… この国では流行らないわ…プリタニア風に言うと… そうね、<ベルガの暴れん坊>(アーベルジュ)かしら… そっちの方がずっと素敵よ…ねぇ…そうしなさいな…?」 「何?さっきから女性(ひと)の顔をそんなに見つめて…」 「いや…最初に貴女(あなた)を助けた時、ある女性に似ていると思ったのだが…」 「思ったのだが?」 「…今にして思うと全然似ておらぬ…」 「なに!?」 ウインダミアの湖畔を白い風が駈け抜けて往く… トリストラム騎士団長率いる第六騎士団が衛る地 ランカスターへと…
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Sound Horizon [mode Lost] Lost←クリックで前画面に戻る それは吹雪に霞みゆく幻影 失ったモノは追いかけても逃げてゆく… それは堕とされた憧憬 あらかじめ喪失を約束された出会い… それは砂上に描かれた魔法 人は誰の為に願い誰の為に生きるのか… それは檻の中に築いた檻 狂える程愛し過ぎた日々の亡霊… それは水底から見上げる光 水は幻想を奏でながら流れてゆく… それは叶わぬ望郷の詩 幾度となく繰り返される警鐘の言葉… それは因果の淵に咲く花 虚ろなる主観では誰も裁けない… それは揺篭の中で揺れる影 幻想に抱かれた空の下で踊る… それは穢れを知らぬ少年の囁き 生に纏わりつくのは喪失への誘い… それは忘れられし想い 振り返りながら唯流れゆく場所へ… それは隠された呪縛 いづれ訪れる…或るいは既に訪れし地平線… 忘却と喪失の狭間で揺れる 第三の幻想『Lost』 忘レモノハ在リマセンカ…?
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Schwarz ~そして少女は森の中~ 蒼く月映す水面に漕ぎ出した 白い小さな手は不器用に櫂を手繰り 昏く森を閉ざすように纏う霧は深くなる…… 辿りつきたる岸辺に咲ける花は── 鮮やかに腐す程に仄甘く── 「追憶ノ鎖ニ繋ガレタママ父親(ニゲルモノ)ヲ追イ駈ケ彷徨ウガイイ……」 少女惑ワス森ノ声ハ奥ヘト誘イ込ム 死と月明かりにくちづけ踊る蝶は── 鮮やかに舞う程に仄紅く── 「追憶ノ搖リ籠ニ搖ラレナガラ望ム幻想(ユメ)ニ抱カレ朽チ果テルガイイ……」 ──薄すれゆく意識が見せた懐かしい幼き日の幻影(まぼろし) → 【散らばった歪な木片(かけら)を崩さないように積み上げる遊戯】 ← 何度も上手く積もうとしたんだ── そうだ…泣かないよ…『約束(ゆびきり)』したから……